平凡な会社員だった私が花屋を始めるまでのあれこれを綴っています。
ご興味のある方、お付き合いください(ゆっくり更新しています)。
どん・より子 新しい環境へ
新しい会社への勤務が始まりました。
といっても、コロナ禍だったこともあり、在宅勤務が主でした。細かな管理はほとんどなく、社員の自主性に任せたフレックス制度で、条件的にも環境的にも、これまでになく恵まれていました。
ただ、なんだか自分の調子が出ないのです。
目の前に来た仕事には当然取りかかります。新たな知識を習得していく必要もありました。ある程度は、頑張ってみるのですが、心の奥底にある前職での “私やり切った” という思いが、歩を鈍らせていました。
次第に気持ちがどんよりしていき、まるで糸の切れた凧のようだと思いました。
光差す 花の仕事への憧れ
かたや、お花教室はというと、意気揚々として毎週のように通っていました。
ゆっくりとお花を選んでいる時間は至福の時、我を忘れるほどに没頭してアレンジメントを作製した後は、心がふわふわとして喜びに満ち溢れます。本当に何にも代えがたい時間です。
いつの間にか、どこかに埋もれてしまった自我に光が差したよう。心が軽くなっていくのを感じます。
こういう創造的な仕事ができたらいいのにな、といつも憧れの気持ちを持っていました。だけど、夢を追うには若くもないし、収入がなくなるし無理だろう。
しかし、引き寄せの法則を知った後だったので、ぼんやりと憧れの情景を思い描いていました。いつかは緑に囲まれた花屋さんで・・・淡い夢を見ながら通っていると、ある時、花屋を開業予定という生徒さんの迷いのない力強い話が聞こえてきます。
思わず、「私も花の仕事がしたいと思って。」と口を開いていました。
すると、先生が一言「やればいいんだよ」。え?そんな簡単に?と思ったのを覚えています(笑)。
また別の日には、自宅でレッスンを行うための準備をしている生徒さんの話が聞こえてきます。
そういった話が聞こえてくる度、心を大きく揺さぶられ、いてもたってもいられない気持ちになっていきました。
風の時代 ~大きな時代の変わり目~
話は少し遡ります。転職をする2年ほど前でしょうか。1冊の本に感銘を受けていました。
「”風の時代” に自分を最適化する方法」 yuji著
私たちは今、大きな時代の変わり目にいる、これまでは土の時代だったが、風の時代に変わるというのです。
それぞれを象徴するワードは以下のようなものです。
◇土の時代:
財や権力、資本主義、物質的な豊かさを生む才能や知略、お金、学力、肩書、資格など。積み上げ式の生き方、上を目指すこと、増やすこと。
◇風の時代:
繋がり・IT・知性・知恵・情報、面白いもの・楽しいこと・美しさを見つける感受性とそれを表現する知性、オリジナリティ・センスなど。目に見えないもの(愛のあるもの・波動)が重要視される、自分の色・個性を打ち出すこと。
土の時代(昭和時代)の少し重い感じ、同世代の方、共感いただけるのではないでしょうか。
世の中はちょうどコロナウィルスが蔓延し始めたころ。
それがきっかけで、テレワークが急速に拡大し始めたことやSNSの広がり、ユーチューバーとして生計を立てる人、インスタから有名人になる人がいるということからも、とても頷けました。全部が軽く、風の要素がある。
では、働き方はどうなのでしょう?こんなことが書いてあります。
・これまでの終身雇用は崩れて、大企業すら副業を容認する。
・副業は複業として捉えられ、その方が心や気持ちに素直に“やりたいか・やりたくないか”で選べる自由度が増す。
・オリジナリティ、センス、軽やかに稼ぎ、軽やかに使っていく時代へ。
・携帯電話・PC・タブレットがあれば、世界と繋がり、世界中で副業ができ、世界中のだれかのため、才能・センス・魅力・色を打ち出して、その対価や何らかのリターンを受け取ることもできる。
そんな風に気を張らない生き方ができるなんて、なんていい時代になるのだろう、私の個性ってなんなのだろう、と当時は思っていました。
理想の仕事と現実の壁
“風の時代” を知って以来、その考え方はずっとずっと心の中で渦巻いていました。
そして、好きなことが見つかり、それを仕事にできたらと考えるようになった今、風の時代の生き方が本当なら、個性や好きを活かして、私が花を仕事にすることだって間違ってないのだろうと考えるようになっていきました。
けれども、どうやって?
現実的なことを考えると、大きな壁があります。
これから先、子どもの学費や習い事やらの費用が必要になる。自分のことばかり考えていいのだろうか・・・。
しかし、長い間の紆余曲折を経て、ようやく見つけることができた好きなこと、やりたいこと。風の時代に沿って、これ以上は自分を抑えつけず、自分の気持ちも大事にしたい。
迷った末、自分の気持ちを家族に伝えることを決めました。