”風の時代” 風に吹かれて別世界へ! ④嵐吹き荒れる

平凡な会社員だった私が花屋を始めるまでのあれこれを綴っています。

ご興味のある方、お付き合いください(ゆっくり更新しています)。

目次

花の仕事が見つからない

家族に打ち明ける決心をしていざ・・・、自分自身を表現することは苦手、いつも緊張します。「花の仕事をしたい。」と伝えると、びっくりした様子でした。

その頃、憧れていた花屋がたまたま求人を出しているのを見つけ、正社員募集であったことから応募をしました。しかし、経歴が異色すぎるのか何の返事もありません。

その後も、素敵な花屋を見つけては、バイトを含め何度か求人の打診をしましたが、どこも厳しい返答ばかり。

最初の花屋の正社員応募から半年以上が過ぎていたでしょうか。

何度チャレンジしてみても、花屋で働ける糸口が見つからず、初めの一歩の端くれさえ掴めない…。

次第に気持ちが焦り始めます。

芍薬の豪快な美しさ

どうする私?内なる私が決めたこと

ブログ④風の時代 芍薬の豪快な散り際
芍薬 最後も豪快に潔く散っていきます

花屋の正社員起用が決まれば、今の仕事を辞めようと考えていましたが、バイトさえままならない。モヤモヤとしながら今の仕事を続けています。いつまでこの状態が続くのだろう・・・。

どっちつかずの気持ちで仕事を続けていては、どっちも中途半端、思うような花の仕事ができないのでは・・・?

でも、次を決めずに仕事を辞めるような、そんな無謀なことはできない。でも、でも・・・いろいろな思いが交錯し決められません。

徐々に気持ちが落ち込んでいきます。

ある晩、ひとり静かに考える時間がありました。

あれこれと考えを巡らせますが、やはり考えはまとまらないまま。

漠然とした気持ちを抱えながら就寝・・・。

しかし、翌朝目覚めと同時に、“今の仕事は辞めよう”と私の意志がキッパリと言いました。

私の意志でありながら、そうではないような不思議な感覚でしたが、すっきりとした気持ちでした。

パニック発動 嵐吹き荒れる

いよいよ、その決心を会社へ伝えることを決めます。

私の意志がはっきりと“辞める”と決めたはずなのに、頭の中でもう一人の自分が大反対をしてきます。

本当にいいの?

毎月安定した給料を得られて心配のない生活ができているのに、次の仕事さえまだ決まっていないのに、本当にそんな無謀で愚かなことをしていいの?

親としても無責任じゃないの?ずっと先の老後の生活さえ脅かすものではないの?どうかしている!

こんなことしたら、もう安定的な生活に戻れなくなるじゃないの?!

風の時代のブログ④山帰来
のびのびとサンキライ

自分の収入がゼロとなる恐怖。

この先、花屋で働ける見込みだってあるかも分からない不安。

頭の中で、嵐が吹き荒れ始めます。

退職の意志を会社へ伝える前も、伝えた後も、常に責め立ててくる自分がいて、軽いパニックが起こります。

これまで、安定した生活を送ってきていた分、大それた決断をしようとしていることが本当に恐ろしくなり、大きな不安が襲ってくると、目の前のことが手につかなくなりました。

明日には会社へ撤回をお願いしようと思ったり、 一方では、これでいいのだ!と撤回しようとする私をぐっと抑え込む自分がいたり。

④風の時代のブログ 山帰来とともに

ある時、パニック発動中で心ここにあらず。

待合わせの目的地とは逆方向の電車に乗り込みます。

我に返った時には、電車は30分も進んでおり、見覚えのない景色と地名に大慌てしたこともありました。

自分を肯定する自分と、否定する自分。

二つの人格が相容れず、頭の中でずっと揉めている・・・。

そんな嵐のような葛藤が1週間ほど続きます。

毎日、自分の下した決断が不安でなりませんでした。

けれども、何とか会社へは撤回を申し出ることはありませんでした。

そして、日が経つにつれ、肯定する自分が優勢となり始め、100%の自信はないものの次第に落ち着きを取り戻していきました。

この先は、恐怖の収入ゼロ生活。不安だけれど、探りながら進んでいくしかない・・・。

ようやく、腹が据わります。

空いたスペースにツキが入る

ついに、会社を去る日が決まりました。

退職後に確定している予定は何もありませんでしたが、楽な気持ちで日々が過ごせるようになりました。

しばらくすると、会社から退職後の予定として、業務サポートの打診をいただき、週に数日ほどのお手伝いをさせていただくことになりました。数日であれば無理のない範囲です。

他の空いている日に花の仕事を探す予定としました。

花の仕事はというと、相変わらずウンともスンともいかなような状態・・・。

困り果てた挙句、お花教室の先生に、働くのによい花屋さんがないか聞いてみることを思いつきます。

先生なら色々なお花屋さんを知っているかもしれない。

ダメ元だけど、次のレッスン時に聞いてみよう。

そして、レッスンの日。

教室に入るなり、すぐに先生とお話できる時間があり、仕事を退職することを決めたこと、花の仕事をしたく、働かせてもらえる花屋を探していることを伝え、よい花屋がないか聞いてみました。

ブログ 風の時代④ 決まった花屋

すると、なんと!

話の流れで、先生の花屋で働かせてもらえることに!!

奇跡!!

働ける花屋が決まった喜びを通り越し、この心の豊かな先生の下で働けるという奇跡!!!

予想だにしなかった展開に、驚きとともに、しばし言葉を失いました。

空いたスペースにツキが入るとは、まさにこのこと。

聞いてはいたけど、身をもって感じたことは初めてでした。

しばらくの間、収入ゼロ生活を覚悟していたのに、退職日を待たずして、新たな仕事が2件も決まりました。

信じがたいことです。心の底からありがたく、感謝の気持ちが止めどなく溢れます。

生きていてよかった!今まで頑張ってきてよかった!!

吹き荒れた嵐の後に、穏やかな風が吹いてきたようでした。

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この記事を書いた人

会社員から花屋へ。
花たちのもつ癒し、希望、優しさ。
四季折々にお届けできればと思います。

 

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